《MUMEI》 ──夕食の時間。 いつも通り、 佳代子さんがワゴンを押して、 病室に入って来た。 「──さぁ、どうぞ」 「‥‥‥‥‥‥‥」 那加は、 献立を見て固まっている。 「これ‥食べていいの?」 那加が示したのは、 デザートのケーキ。 苺のムースケーキだった。 「スポンジケーキよりは消化はスムーズにいきそうだから。──それに那加ちゃん、ちょっとづつ快方に向かってきてるもの」 「快方‥?」 「ええ。だから元通りの食事が出来るようになるのも──そんなに先の事じゃないかもね」 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |