《MUMEI》 「ほんとっ?」 「ええ、本当よ」 佳代子さんの返事を聞くなり、 那加は目を輝かせた。 「聞いた日向っ? 今の聞いた?」 「ぁぁ、聞いた」 那加の嬉しそうな声に、 思わず笑みが零れる。 「‥あれ、那加──デザートから先に食べるのか‥?」 訊いたら、 那加はニッコリ笑って── 「だってケーキなんて5年振りなんだもん」 そう答えた。 一口切り取って、 口に入れる。 その途端那加が見せた、 とろけそうな笑顔。 「幸せ──」 「お腹‥大丈夫か?」 「うんっ、平気」 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |