《MUMEI》

みんなと少し雑談した後、

あたしと先生は教会の裏手の広場にいた。

「──ねぇシロ」

「?」

「あたし達、ほんとに結婚したんだね──」

「夢だと思うか?」

「ちょっとね」

だって──

初めはすれ違ってばっかりで。

好きだ、

って事も、

あたしは素直に言えなくて。

だから、

こんな風に今──

ウエディングドレスを着て、

幸せな気分に浸ってるのが‥

まだ夢みたいな気がして仕方ない。

「‥ぅわ‥!?」

「もしこれが魔法だとしても──この魔法は一生解けない」

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