《MUMEI》

「((碧依ー、アオイってば))」

「ぇ」

「((前見て走らないとぶつかるよ‥?))」

「私‥?」





振り向いていた顔を前に向けて、やっと‥今が持久走の最中なのを思い出した。





「───────」




ふと、グラウンドの外に目を向ける。





眞野先生が、立ってる。





時々、





「ほら、止まらんと頑張りやー?」





あたし達に、声援を送ってくれる。





「──はぁっ、‥はぁ‥」





‥疲れてきた。





けど、止まる訳にはいかない。

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