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《MUMEI》 「ぃゃ、それは那加のだから‥」 「日向も食べるの」 「ぇ‥‥‥何で‥」 「日向と一緒に食べたいの」 「───────」 「──食べてあげて、日向君」 「佳代子さん‥？」 「那加ちゃんの為にも。ね？」 「──ハイ」 それが那加の為になるなら、 そうしよう。 「──はいっ、ひーなた♪」 「ぁぁ‥」 食べさせられるのにも、 少し慣れてきた。 「ね、美味しいでしょっ」 「──ほんとだ」 そういえば俺も、 久し振りに食べた気がする。 那加が入院してからは、 ケーキなんて食べたいとも思わなかったし‥。 「日向、ほら──もう一口」 「俺もいいけど、那加も食べろよ？」 「分かってるもん」 前へ |次へ |
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