《MUMEI》

30分位かけて、

那加は食事を平らげた。





「ふぅ‥お腹いっぱい‥」

「凄いな、那加──」

「ぇ?」

「前なんか、一口も食べなかったのに──」

「しッ‥失礼ねっ、好きで食べなかった訳じゃないわよ」

「‥悪い」

「謝らないでよ」

「スイマセン‥」

「謝らないで≠チて言ってるでしょ」

「スイマ‥」

「──ぷっ」

「那加‥?」





那加は、

クスクスと楽しげに笑っている。





「あたしの言ってる意味、分かる?」

「ぁぁ‥」





謝るなって言ったから、

スイマセンって言ったんだけど──

どうやらそれが、

那加には笑いのツボだったらしい。

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