《MUMEI》

一人、また‥一人。





コースからクラスメイトが抜けていく。





気がついたら、走っているのは私一人‥。





「──おい、卯月のヤツまだ走ってるぞ‥?」

「あいつ‥何であんなに必死になってんだ‥?」

「さぁ‥」





誰かがヒソヒソ話しているのが、凄いだけ聞こえた。





でも、私にはどうでも良かった。





ただ、走り続ける事しか私は考えていなかったから。





‥理由は、簡単。





ただ、先生に見て欲しいから。





泣き虫で、これといった取り柄もない。





でも、頑張っている姿を見て欲しい。





ただ、それだけだった。

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