《MUMEI》

「──────‥」




脚が動かなくなって‥ガクン、と膝から崩れ落ちる。




「碧依っ、大丈夫‥!?」

「‥‥‥‥‥‥‥」

「ほら、肩貸したげるから──」

「‥ごめん‥」




──何をやっているんだろう。




こんな事したって、先生は私を振り向いてくれる訳じゃない。




なのに、何をやっているんだろう‥私は‥。




「──お疲れさん」

「‥先生‥?」

「よう頑張ったな」

「───────」




先生が、あたしを褒めてくれた。




頑張ったな、って‥そう言ってくれた。




笑いかけてくれた──。

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