《MUMEI》

「──ふぅ」

やっとお昼を済ませた。

「‥ぅゎっ」

「おー‥凄い風だったなぁ、今の‥」

「うん‥」

まだ、

風は冷たい。

でも──

先生が隣りにいるからあったかい。

「──先生」

「ん?」

「チョコシロとあたし、どっちが好き‥?」

「ぇ、どうしたんだ? 急に──」

「確かめときたいから」

「──お前の方が断然好きだ」

「───────」

「だって──お前の方が甘いしな」

「甘い‥?」

「ぁぁ」

「‥ぇ、ちょッ‥」

何で抱き寄せちゃってんの‥!?

「ちょっと先生っ、放‥」

「放さない」

「‥ちょ‥ちょっと待ってよ誰かに見られたらどうすんの‥!?」

「その時はその時」

「ぇぇ‥」

いいの‥?

知らないよ?

あたし‥。

「───────」

「どうした?」

「──ううん。‥ねぇ」

「?」

「肩、借りていい?」

「おう、勿論」

「──ありがと」

そっと先生の肩に頭を乗せると──

少しだけ、

チョコシロの甘い匂いがした。










   〜END〜

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫