《MUMEI》

『私を捕えた、お前の仲間達から聞いたんだな…?


言葉を話す人間がそんなに珍しいのか?』



テイラーは、まだ痛みの残る喉をさすりながら、怪訝そうに問いかける。



『ウキィ…こいつぁ驚いた…。


アイツらの言ってたことは本当だったんだな…ウキキッ…』



監守の猿はテイラーの質問を無視して驚いていたが、その言動自体がしっかり答えになっていた。



『私をどうするつもりだ?』



テイラーは、敵意を露に監守を睨んだ。



『ウキャ?…俺が決められることじゃないさ…。


…だが、お前は普通の人間とは違う。喋る人間だ…。


だから俺がお前を好きにできるなら、きっと金儲けの道具に使うだろうな…。


ウキキキキキッ…』

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