《MUMEI》
家畜の餌
          :
          :



『ウキィ…おい、餌だ…。食え。』



監守の猿は、不潔な食器に入れられたベトベトの物体を鉄格子の下から差し入れた。



どうやらそれが食い物らしい。



隣の牢屋にいる原始人の男にも、同じ食事が与えられた。



その男は、手を使わずに犬のような姿勢で、嘔吐物のような食事に貪りついていた。



捕えられてから10時間以上…



テイラーの空腹は限界だったが、それでも"家畜の餌"に喰いつくほど人間としての自尊心を失っていなかった。



テイラーは出された食事に手をつけず、食器をそのまま牢屋の外に押し返した…。

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