《MUMEI》

監守の猿にしてみれば、餌をチラつかせて珍しい動物を服従させる腹づもりだったのだろう…



そして、その思惑は見事に外れた…。



自分になびかない目下の存在から浴びせられた一言に、みるみるうちに猿の額に血管の筋が浮き上がった!



『人間の癖に、生意気な口をきくな!ウキィーッ!!』



猿の怒鳴り声が牢獄中に響き渡る…!



『ウキィ?どうしたんだ?』



監守の怒号を聞き付けた別の猿が現れた。



テイラーを捕えた狩人の一人……いや、一匹だった。



『ウキキキイィッ!コイツが舐めた口を利きやがったのさ!


ウキキイィッ!人間の分際で、ふざけやがって!!』



監守は顔を真っ赤にし、ますます猿らしい顔つきになった。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫