《MUMEI》

「ゴミ付いてたよ」

「口で言え!」
なづきの右ストレートが和成の心の臓目掛けて貫く。

動作がいちいち気障っぽいのが不愉快だった。

「ぐえ、中々やるな……」
和成は肩を軽く震わせた。
「彼氏じゃなかったんだー。そうか、そうか一方通行なんだね。
どれ、先生に教えてみなさい?」

「和成、馬鹿にするな」
なづきは睨み付ける。

「なづき怖い!
いいさ、来週また聞くから
これも宿題にしておきます。
じゃあ、お邪魔しましたあー!」
和成はなづきの殺気から逃げるように出ていった。

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