《MUMEI》

『ウキ?…なんだと?』



『コイツは苦しんでるんじゃない…。


…むしろ喜んでるのさ…。』



そう言ってテイラーは、鉄格子の隙間から腕を伸ばし、衛兵の猿の腕を掴んだ!



『ウキィ!?…何をする!?』



テイラーは牢屋越しに猿を羽交い締めにすると、その耳元で囁いた。



『ほら…よぉく見てみろ…』



テイラーが顎で差し示す先には、監守の猿が苦しそうに蹲っているように見えた…。

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