《MUMEI》

「…脱がない…」


「…どうして?」


「まだ、
そういう関係じゃ
ないでしょ〜」


「…だから…
体重ねるためじゃない」



莉愛の表情が
だんだん
難くなっていく…。


…やっぱり…

何かあるんだ…。


さっきのは、
見間違いじゃ
ないんだな…。



「莉愛…」


「嫌だっ」


「莉愛っ」


「嫌だっ!!!!」



パニック状態になったのか
莉愛は
傍にあったクッションを
いきなり
投げつけてきた。


…ごめん、莉愛…。


だけど、
見逃せない。


もし、
事実なら
本当なら
傷ついてんのは
お前だけじゃないだろ?



「莉愛…じゃあ、
腹部だけ…
マジで
確かめたいんだ…」


「嫌っ!!
絶対に嫌っ!!」


ついには、
泣きわめき始める莉愛。


…最悪……


周りからは
そう思われるよな…。


だけど、
ここで見逃したら
俺はもっと
最悪な奴なんだよ…。





.

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