《MUMEI》

2枚目を守っていた三島は、


わずかだがクロよりも高い位置にいた為、


すでにクロよりも有利だった。


(これがこいつを2枚目に置いてる理由か…!!)


三島はあっさりとヤマトを抜き去り、


海南ゴールへと走る。


それを追い掛けるクロ。


クロは猪狩はパスを出さず、


1人でシュートを打ちに行くことはわかっていた。


その為戻る準備はしていた。


反応速度はクロの方が速かったのだ。


しかしそれでも、


差は縮まらず、


独走状態の三島にパスが通る。


全速力で追い掛ける相手に、


引き離されていく。


クロにとっては初めての経験だった。








「ナイッシュー!!」








三島は彗星のように、


誰にも邪魔されることなくコートを突っ切った。






試合開始から約3分。


1対0。

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