《MUMEI》
有り得ぬ光景
ヒタリ…ヒタリ…
耕作は山奥へと進む

その足は徐々に速度
を増し遂に優鬼の目
の前から姿を消した

…しまった!
見失ったか?

ザザ・ザザザ…
草の根を掻き分ける
音が遠くから響き…

キィキィーッ
何かの叫ぶ声!

優鬼は声のする方へ
足を進めた…
不吉な予感に捕らわれながら…


『…耕作?』

薄暗闇の中、耕作は
佇んでいた。


ピクリ…
耕作の背中が揺れた


『何をしている?
こんな所で…』


『クスクス…クククッ』

笑いながら振り向く
耕作の口にぶら下がる…血だらけの兎…


『耕作…』


雲に隠れた月が薄暗闇を照らす…

写し出された耕作の姿は…

忌まわしき黒き鬼!


優鬼は目の前の有り得ない光景に震えた。


…何故?耕作が黒い鬼の姿になっているのだ?

ワシの目を授けたのだから〜青鬼の姿になるであろうに…

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