《MUMEI》
出来ぬ
優鬼は怒りと悲しみにブルブルと拳を震わせた。


何故なのだ…
耕作を助けるはずが
邪鬼を助けるなんて


誰か、嘘だと…


『耕作…耕作…』

優鬼は声の限りに叫んだ!


『無駄だ…もう聞こえないだろうよ、耕作にはな…』


ビクン…
その時〜耕作の身体が動いた。


『ュゥ…キ…ユウキ…オイラ
ココニ…イルョ』


『何?動かぬ…チッまだ力があったのか?離せ!人間の子供ごときが…』


『耕作!』


『ユウキ…オイラガ
コイツ ヲ 中カラ捕
マエテルカラ…

早ク…オイラノ身体
ゴト 封ジテ…』


『そんな事は出来ぬ



『クククッ、そうだよな〜お前には出来ないよな?優しい青鬼さんよ?

耕作〜残念だったな
無い力を振り絞って
俺を捉えたのにな…

アハハハ…』


邪鬼の高笑いが耳にザラザラと響く。

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