《MUMEI》 那加が、 あんまり必死になって言ったのと‥ 薬の効き目からか、 また俺は眠ってしまったらしい。 「ジュース飲む‥?」 降ってきた、 優しい声。 「喉、渇いてない‥?」 「‥ぁぁ、大丈夫‥」 まだ寝ぼけたまま、 俺は少しだけ体を起こした。 「あっ、ダメ起きちゃッ」 「!?」 いとも簡単に、 俺はまた横にさせられてしまった。 「那加‥あんまり心配しなくて大丈夫だから」 「何が『あんまり心配しなくて大丈夫だから』よ、熱が38度超えてるのよ‥!?」 那加は、 俺の耳がキーンとなる程の大声で言った。 前へ |次へ |
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