《MUMEI》

「‥那加‥耳痛い‥」

「うーるーさーいッ」

「‥スイマセン‥」





これ以上反論すると‥

鼓膜をやられ兼ねないから止めた。





「と‥ところで姫サマ‥」

「何よ風邪引き日向」

「‥あの‥何かございマシタか‥?」

「何かって何よ」

「分からないけど‥」

「何もないわよ、‥ほら、もう一回計ってみて」





那加は、

俺に体温計を手渡すと──

ひまわりを手に乗せて、

話しかけ始めた。





「‥‥‥‥‥‥‥」





体温計が鳴った。





「何度だったの?」





すかさず那加が、

俺の手元を覗き込む。





「まだ37.9‥。安静にしてなきゃダメね」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫