《MUMEI》

「那加」

「ん‥?」

「元気になったら──また一緒に妖精探しに行こうな」

「──でも、あの森にはいなかったもん」

「あの時は隠れてただけかも知れないぞ」

「いいの。妖精探しは卒業したの」





那加は、

プイッとそっぽを向いた。





「それより、日向喋り過ぎ。熱あるんだからもうちょっと大人しくしてなさいよ」

「ぁ‥、ハイ‥」





つい、

色々楽しかった事が浮かんできて──。





「‥?」

「まだ熱い‥」

「那加──ちょっと離れてた方がいいかも知れない。移ると悪いから」

「──大丈夫だもん」

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