《MUMEI》

「那加にお世話されるのも楽しいもんだな、って」

「なッ‥何ばかな事言ってるのよっ」

「ぇ‥」

「あたしはお世話なんかしたくてしてるんじゃないんだからねっ」

「‥スイマセン、姫サマ‥」

「──とにかく日向は大人しくしてる事。いいわね?」





那加は念を押すように言って、

一旦ベッドから離れる。





ひまわりに餌をやりながら、

ふと、

窓の外を見た。





「何か‥今日は風強いみたい」

「───────」

「桜──まだ散らないよね?」

「ぁぁ、まだ散らない」





──散らないはずだ。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫