《MUMEI》
満員御礼
全ての準備が整った所で、顧問の相田先生が登場した。


(騒がしいとは思ってたけど)


先生の話によると、体育館は満員で、立ち見客もいるらしい。


「皆、今日までお疲れ様。いよいよ本番よ。観客の皆様に、楽しんで帰ってもらいましょうね」


先生はそう言って、全員の顔を見てから、部長に指示を出した。


部長の手には既にマイクが握られていた。


(いよいよだ)


部長が開演前の注意事項を観客に告げると、体育館の明かりが消えた。


まずは


坂井によるナレーションからだ。


会場に、小さめの赤ん坊の泣き声が響く中、坂井は口を開いた。


『明治40年四月二日の明け方、旧華族の姫宮家に、可愛らしい赤ん坊が生まれました。

名前は、静』


ここで、俺の両親役の声が入る。


母『可愛い…今度こそ、女の子よね?』

父『いや、それが…』

母『こんなに可愛いのに!? ねぇ、あなた…』

父『ん?』

母『お願いがあります』


そこでまた、坂井の説明が入る。


『そして静は、母の望み通り、成長しました』


続いて、怪獣のような泣き声が響いた。

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