《MUMEI》 那加は桜の木を見つめたまま、 ジッとその場を離れない。 「───────」 「那加‥」 「何?」 「来てくれるか‥?」 「何よ、どうかしたの‥?」 「‥ぃゃ‥」 「──しょうがないんだから‥」 那加は鬱陶しそうに── ベッドの側に来てくれた。 「それで? どうした訳?」 「俺──」 「もぉっ、そんな顔しないの」 「‥‥‥‥‥‥‥」 「何回言ったら分かるの?」 「ぇ‥」 「そんな日向嫌い」 「な‥っ」 ‥嫌い‥? 「‥‥‥‥‥‥‥」 ‥嫌い‥。 前へ |次へ |
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