《MUMEI》

「アオイ?」

「ぅゎ‥っ?」





未玖──。





「ねぇ碧依、この際ハッキリ言っちゃった方がいいよ? もしかしたら誰かに取られちゃうかも──」

「う、ん‥分かってるんだけどね、‥なかなか‥」

「碧依デリケートだもんね──」





未玖は苦笑しながら、私の隣りに座った。





「でもさ、眞野っちだって碧依なら絶対口説けると思うんだよね」

「ぇぇっ、く‥口説く‥?」





そんな事‥私──‥。





「大丈夫、大丈夫♪ 1回さ、ガツーンとアタックしてみなって」





未玖は拳を突き出す真似をして、そう言った。

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