《MUMEI》 那加の許可が下りて、 俺はやっと自販機に向かう事が出来た。 「あらっ、日向君‥?」 「‥ぁ」 佳代子さん──。 「凄い、もう大丈夫なの?」 「はい、熱は下がったんで──」 「凄いじゃない」 佳代子さんは、 ニッコリ笑って言った。 「那加ちゃんも喜んでたでしょ」 「ぁ‥、ハイ」 安心して泣いてた位──。 「良かったわ──熱が下がって」 「──ありがとうございました」 「お礼なら、那加ちゃんに──ね」 「ぇ」 「日向君の看病したのは、那加ちゃんだもの」 前へ |次へ |
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