《MUMEI》

「あの──‥くだらない事かも知れないですけど‥」

「くだらなくなんてないはずよ?」

「‥そうですか‥?」

「ええ」

「───────」





話してみようか。





「‥えっと‥、那加が何か俺に隠してるみたいなんです」

「何か?」

「大事そうに見つめてて──でも俺には見せてくれなくて」

「何か宝物みたいな物なのかしらね──」

「宝物‥ですか‥?」

「ええ」

「宝物‥」





那加にとって‥

宝物≠チて何だ‥?





「宝物‥宝物‥」





‥駄目だ。





分からない‥。





那加の宝物って‥

何なんだ‥?

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