《MUMEI》

「──那加」

「?」

「ほら、もうスープだけだから」

「ありがと‥」





那加は器を受け取ると、

スープを掬った。





「───────」





一瞬、

顔をしかめたけど‥

黙々とスープを口に運ぶ那加。





「味──どうだ?」

「‥‥‥‥‥‥‥」





那加は、

ただ黙ったまま──

器を両手で持ち上げると、

中身を一気に飲み干した。





「な‥那加‥?」

「──ごちそうさま」





器は、

空になっていた。





「デザート食べていい?」

「ぁぁ‥」





‥ビックリした‥。

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