《MUMEI》

(…さっきのプレーは結構自信あったんだけどな。)


海南クラブの攻撃。


「1本決めましょ〜!!」


(…ここは2人に任せるか。)


翔太は猪狩にパスを回し、


猪狩は鳥居へ。


鳥居から猪狩、


翔太へボールが戻る。


(好きにしてい〜すよ。)


翔太はヤマトにボールを回し、


ヤマトとクロの2人に攻撃を任せる。


(どうする?)


(ここは僕に行かせてくれない?)


(OK。
行けクロ。)


ヤマトからクロにボールが渡る。


(さて…


試合開始から6分40秒。


1対1はロースコアすぎる…


1対1…


スコア的には同点だけど、


これは恭介のおかげだ。


流れは向こうに傾きつつある。


となると…


ここら辺で試さなくちゃいけないことがある。)


「キュキュッ!!」


1対1を仕掛けるクロ。


(1つ。


このディフェンス。


僕にこのデブをぶつけて来る意味はあるのか?


ただの無謀にしか思えない。


それとも何か別の何かがあるとか?


じゃなきゃ説明がつかないし、


早いとこ確認もしたいし…


ね。)


「ふぅ…」


足を止めるクロ。


が、


「バンッ!!」


次の瞬間、


ワンドリから一瞬でディフェンスを抜く。


「おっ。」


(あっさり抜けたな…


意図は見えず…


か。


んじゃま…


2つ目行きますか…)

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