《MUMEI》

「日向も食べる?」

「ぃゃ、結構デス‥」

「〜〜〜〜〜〜‥」

「じゃあ、一口なら‥」

「ほんとっ?」

「ぁぁ」

「──はいっ♪」





那加がゼリーを掬ったスプーンを差し出してきたから、

俺は口を開けた。





滑り込んできた、

ブドウゼリー。





「───────」

「もう一口いる?」

「後は那加の分」

「ぇ〜?」

「嫌なのか‥?」

「独りで食べても美味しくないもん」

「ぇ」

「日向と食べた方が美味しいもん」

「そうなのか?」

「そうだもん」

「分かった。──じゃあ一緒に食べよう」

「やったぁ♪」

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