《MUMEI》

「那加‥あの‥」

「何?」

「俺──昔那加に何かあげた‥よな?」

「うん、もらった」

「それって──‥」

「ほんとに忘れたの?」

「ぇ」

「日向がくれたのに──」

「‥悪い」





何か‥

よく思い出せないんだよな‥。





「ふぁ‥」

「那加?」





満腹で眠気がきたか‥?





「おい、那加‥?」





サイドテーブルに突っ伏したまま、

那加は寝息を立てている。





「───────」





そっと抱き上げて、

ベッドに寝かせてやった。





「──暫くは起きないか‥」





ふと、

さっき那加が突っ伏していたサイドテーブルに目を向ける。





「‥ぁ」





そこに俺は、

ある物を見つけた。

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