《MUMEI》
神様お願い!
「友香!おはよっ!」
朝から元気に声をかけてくる真由子。今日はいつも以上に可愛く見える。『恋する女は綺麗になる』って言葉はあながち間違ってはいないようだ。
それに比べ私は…
「おはよ…」
まるで死人のようではないか。情けない…
「どうしたの?今日元気ないね。」
「うん。夕べ眠れなくって…」
「私も〜!なんか緊張しちゃって。でもなんで友香まで眠れなかったわけ?」
「や…それは―…。」

やばっ!もしかして墓穴掘った!?

「あ〜わかった!!」
「え?」

ギクリ…

「もしかして私の事心配してくれてたとか?」
「そ、そうなの!上手くいくかなぁって…」

私は大嘘つきだ。

「嬉しい!ありがと〜。私頑張るからっ。」
「うん…」
キラキラオーラを纏ったかのような真由子の後ろ姿を見て私の心のモヤモヤは、更に色濃くなっていった。

昼休みよ、来ないで下さい。

一生分の願いをこの一つに込めて神様に祈りたい気分だった。

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