《MUMEI》 (シューターには癖ってもんがある。 より癖のないシューターの方がキーパーとしては嫌だ。 止めづらいからな。 コースが読みづらいし、 それにスピードが加わったら最悪だ。 たぶんキーパーならどんなシューターからも癖を読もうとするはずだ。 意識するしないに関わらず。 そう言った意味でヤマトは一流だ。 ほとんど癖がないし、 スピードもある。 コントロールもいいし、 コースがわかっても止められないシュート力を持ってる。 それがヤマト。 でもヤマトは何だかんだで上手い選手でしかない。 …問題はクロだ。 クロは上手いけど上手いって言葉は似合わない。 厄介って感じだ。 より癖を見抜かれないようにシューターが努力する中で、 クロはそんな努力は一切しなかった。 癖が多すぎてコースが読めない。 低姿勢から高めに来たり、 流しのフォームから引っ張って来たり、 とにかく読みづらい。 ジャンプのタイミング、 手首、 体の開き方、 とにかく癖が多い。 同じフォームから何パターンものシュートを繰り出してくる。 超やりづらいっつの… ヤマトが青龍刀なら、 クロはフェンシングの剣ってとこだ。 切れ味のある直線的な剣に、 しなやかで曲がる変則的な剣か… 全く… かわいくない後輩たちだよ…) 前へ |次へ |
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