《MUMEI》

「──ひなた?」

「ぅわッ‥」

「何してるの?」

「ぇ‥、ぁ‥」





‥まずい‥。





「──あーっ、見たの!?」

「ぅっ‥」

「もぉ〜ッ‥」





那加は、

お冠みたいだ‥。





「何で見たのよ‥」

「置いてあったから‥その‥」

「〜〜〜〜〜〜‥」

「スイマセン、姫サマ‥」

「日向がこんなのくれるから悪いんだからね?」

「ぇ」

「‥‥‥‥‥‥‥」

「那加、何でこれ‥持っててくれてたんだ‥?」

「‥大事だから」

「大事‥?」

「宝物なの。あたしには──」

「宝物‥」

「だって──日向があたしに初めてくれた物だから」

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