《MUMEI》
Target
試合が始まり7分。


ここまでの両チームの総得点は3点。


稀に見るロースコアゲームだったが、


ギャラリーが退屈することはなかった。


ハンドボールでシュートを止めるということの難しさを、


見ているだけで理解していたからだ。


特に経験者はこの試合に引き込まれ、


他のチームや、


赤高の選手たちもこの試合のレベルの高さに気付いていた。


そして、


2階席から試合を観戦する美紀も…








(まだ7分…


凄い…


得点が入ってないのにそれ以上にも感じる…


それにしても…


なんだろこの違和感…


さっきまで見てた秀皇のプレースタイルとは違う感じ…


まぁ、


実際何人か選手も変わってるからかな?


よくわかんないけど…)








美紀が感じていた違和感を、


体育館にいる内の数人は気付いていた。


秀皇大学らしくないプレーが続いている…


と。


それは海南クラブの選手たちも気付いていたが、


あえて口にはせず、


試合に集中することを心がけていた。

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