《MUMEI》

武丸先輩はカッコイイ。
背が高くて、悪戯が好きで、綺麗な指をしていた。

「武丸先輩だっけ?何故いなくなったんだ?」


「分からない、さっきまで一緒だったのに……」

小指の言葉が半分も耳に入らず、適当な返事をしてしまった。


「俺は絆創膏が貼られていたし武丸先輩の声しか聞いていなかった。だからお前しか見いなかったことになる。」

そうだ、小指が言うように私しか武丸先輩を知らない。
私しか探せない。


先輩と初めて帰った日も二人河川敷を歩いた。
いや、正確には私が尾行していたに近い。

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