《MUMEI》
立ち聞き禁止
屋上に着くと既に真由子はいた。勿論柳田も。
様子を見に来たのはいいが、距離が遠すぎて何を話しているのか聞こえない。
屋上だから隠れる所もなく、でも来てしまった以上引き返す事も出来ない。
取り敢えず見つからない様、扉の後ろに隠れる事にした。
真由子が出てくるまでｿﾜｿﾜしてならなかった。
どんな告白してんだろ？
遅くない？
もしかしてOKだったりして
またﾏｲﾅｽﾓｰﾄﾞになりそうになった時、真由子がそっと出てきた。
うぉう！ﾋﾞ‥ﾋﾞｯｸﾘした〜
声が漏れそうになるのを必死に堪える。なんとかﾊﾞﾚずに済んだけど…
どうだったんだろう…？
後ろ姿だけじゃわかんない。あぁ〜気になる！
柳田からは聞きにくいし…こんな事なら始めから教室で待ってたらよかった…
自分のﾊﾞｶさ加減に呆れながら、教室へと向かおうとしたその時だ。
「何してんの？」
柳田が声をかけてきた。
「そこに居るの、吉野さんでしょ？」
ゲッ！！ﾊﾞﾚてた？
「入ってきたら？」
柳田にそう言われたら断りきれない。どうせﾊﾞﾚてるし、真由子の事も気になるし…
私は怖ず怖ずと扉の裏から出た。
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