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《MUMEI》 ﾟ･:*:.｡＊｡.:*:･ﾟ＊ﾟ･:*:.｡＊｡.: 膝下の"雨"の札を見つめていると、〆華の脳裏に、あの時の悲しみが不意に蘇ってきた…。 『ん？…どうした？ …少し苛め過ぎたか？』 今までどんなに追い込まれてもポーカー･フェイスを崩さなかった〆華の表情の僅かな移ろいを、兼松は目ざとく読み取った。 『いえ…なんでもございません…。』 〆華は「菖蒲の札」を空切りすると、返しの札「梅のｶｽ」も空振りした…。 『ふっ…そう投げ槍になるな…』 その様子を見た兼松は、〆華の心情を逆撫でるように笑った。 ――――…「梅のｶｽ」… 〆華は軽く唇をむすび、自ら場に起こした一枚のカスに視線を落としていた…。 前へ |次へ |
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