《MUMEI》

「──そう、寝ちゃったのね──」

「すいません、夕飯持って来て下さったのに──」

「大丈夫よ、また温め直せばいいもの」

「───────」

「那加ちゃん、元気になってきたみたいね」

「?」

「前は寝込んでばかりだったけど──今はかくれんぼしたり」

「そうですね──」





前は、

ベッドにいるだけだった那加。





だんだん、

桜の所に行ったり──

遊んだりするようになった。





「‥ひなたぁ」

「!?」

「おなかすいた‥」





ムクリ、

と那加は起き上がって、

ぼんやりとした目で俺を見た。

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