《MUMEI》

「ぇ──」





嬉しい=d?





「碧依〜、授業遅れるよ?」

「ぁ‥そうだ‥」





次は生物だったっけ‥。





「気ぃつけてな、転ばんように」

「はいっ、ぁ‥ありがとうございます」





まともに先生の顔を見れないまま、私は授業の教室に向かって走った。





空っぽになった手が、何故か熱かった。





「──未玖──眞野先生手紙読んでくれたかな‥」

「大丈夫大丈夫、眞野っち今頃読んでくれてるから」

「───────」





そうだといいな──‥。

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