《MUMEI》

兼松は嘲笑もそこそこに、残った手札二枚の中から、次に切る札の迷いに立ちもどった。



指先は「菖蒲のカス」と「梅に鶯」のどちらを抓もうか、二度三度と往復している。



やがてその指先は、紫色した植物の図柄……「八橋」の札を選んだ。



兼松は、それを〆華が捨てたばかりの「菖蒲のカス」に張りつけた…!



すると、返しの札で遂に「菊に盃」を引き当てた!



『うはぁ!!』



待ちに待った札が現れ、大袈裟に歓ぶ兼松がいた。



これで「雨四光」+「月見」+「花見」+「タン2」+「タネ1」…



…滅多にお目にかかれない21文役が完成した…。

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