《MUMEI》 綺麗な桜「ひなたぁ、早くしてよぉ」 「ハイ、了解デス‥」 那加は、 しきりに俺を急かしてくる。 俺は、 売店でプリンを買って病室に戻って来てから── 那加の髪をセットしてやっていた。 寝癖のついた髪を櫛で梳かして、 スプレーを吹き掛ける。 「けほ‥ッ、ちょっと日向っ、そんなに吹きかけないでよ」 「スイマセン‥」 どうにも‥ 加減が分からないんだよな‥。 「ねぇ、ひまちゃんも連れてっていい?」 「ひまわりも‥?」 「ダメ‥?」 「ぁ──‥」 ひまわり‥ 寝てるんだよな‥。 前へ |次へ |
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