《MUMEI》 「ねぇ、早く早くぅ」 「ハイ、ただ今‥」 大体持ち物はこれでいいか‥。 「ひーなーたぁ」 「分かってマス‥」 「じゃあ早くしてよ。いつまで待たせるの?」 那加はもう既に、 戸の前に立っている。 「よし‥」 「準備いい?」 「ぁぁ」 「じゃあ行こっ♪」 「!? おい那加っ‥」 俺は那加に引っ張られて‥ 廊下に出てエレベーターの方に向かった。 一階に降りて、 ロビーに近付くと。 「あら──2人でお散歩?」 「日向とお花見するの」 「そう──楽しそうね」 「お昼までには戻ります」 「ええ」 佳代子さんは、 ニッコリ笑った。 前へ |次へ |
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