《MUMEI》 「バカ!! 焦んな猪狩!!」 パスをもらった猪狩が、 すぐにディフェンスに突っ込む。 「ピー!!」 「チャージだ!! 戻れ!!」 (バカ猪狩!!) ディフェンスに戻ろうとするクロ。 が、 (え…!?) 「バン!!」 勢いよく転ぶ。 「ナイッシュー!!」 その間に三島の速攻が決まり、 2対3。 … 「だ… 大丈夫かクロさん…?」 「今の転び方やべ〜だろ…」 「佑香、 救急箱。」 「あっ…、 うん!!」 「や、 待て。」 「え…?」 立ち上がるクロ。 「大丈夫みたいだな…」 … 「おい審判!!」 「?」 「今ディフェンスクロのビブス引っ張っただろ!!」 「…さぁ?」 「何で見てね〜んだよ!!」 「いいよヤマ!!」 「クロ… でもこいつら…!!」 「大丈夫だから。 ね。」 「…」 言葉とは裏腹に、 クロの心中は穏やかではなかった。 ディフェンスに戻ろうとした瞬間、 確かにクロはビブスを引っ張られていた。 そしてこの時、 先ほどのプレーで不和にパスが通らなかった理由にも気付いていたからだ。 (僕と同じように、 きっと不和さんもやられたんだ。 くそ…!! つまんないプレーしやがって…!!) 前へ |次へ |
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