《MUMEI》

「そう‥なのか?」

「そうだもん。前にも言ったでしょ?」

「ぁぁ‥」

「あたしがここに来てからも‥それより前からも、あたしは日向がいたから楽しかったの」

「──俺も」

「ぇ?」

「俺も同じ」

「ほんとに‥?」

「ぁぁ」





那加と一緒にいて、

楽しくなかった事なんかない。





毎日、

一緒に遊んだりして──

凄く楽しかったんだ。





那加と、

一緒にいられる事が──





凄く楽しかった。





「──ひなたぁ」

「‥ん?」

「──何でもない」





そう言って那加は、

俺の肩に頭を乗せてきた。

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