《MUMEI》
間宮の要求
固まる静とその母親


間宮は、そんな二人を笑いながら、一枚の紙を見せる。


それは


姫宮静の、生まれた病院での記録。


そこには、はっきりと性別が記入されていた。


姫宮母『要求は?』


震えながらも、気丈に対応する母親に対し、静は何も言えず震えていた。


間宮『静嬢との、婚姻を』

姫宮母・静『『な…!』』

間宮『静を私にくれれば、資金援助も致します』

静『ど、どうして』

間宮『…声は確かに男ですね』


言われてハッとする静。


姫宮母『何故、男だと知って、静を?』


母親が間宮を睨みつけた。


間宮『美しい男が好きだからですよ。
あぁ、安心して下さい。ちゃんと世間には嫁として公表しますから。
今更男だなんて、言えないでしょう?』

姫宮母『そんな、事は』

間宮『ただでさえ、スキャンダルを避けたいこの大事な時に、息子を女装させて娘として育てていたなんて』


間宮の言葉に何も言えない二人。


その日は間宮はそれ以上は語らず、屋敷を去った。


しかし


結局、姫宮家の借金はどうにもならず


静は、家の為に間宮との結婚を了承する。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫