《MUMEI》
後夜祭企画
(? 何だ、これ?)


優勝商品のケーキと、担任がおごってくれた飲み物でおやつ時間を満喫していると、青いリボンを渡された。


(あれ? 志貴は赤だ)


周囲を確認すると、男子が青で女子が赤だと気付いた。


「なぁー、これ何?」


俺は、一緒におやつを食べていたいつものメンバーに訊いてみた。


「そっか、祐也いなかったわよね」


志貴が代表して説明してくれた。


それによると


これは、後夜祭恒例のイベントらしい。


好きな相手と、リボンを交換して、手首に巻く、というのが基本らしい。


「これをきっかけに付き合う人多いのよ」

「ふーん」


(そういえば、退院した後やたらとカップル増えてたな)


ぼんやりと、そう思った。


(…あ)


「じゃあ、守と吉野も交換するのか?」

「え!?」


俺の言葉に、守は真っ赤になった。


「ストレートだな、祐也」

「そう言う真司はあの一年か?」

「…まぁ、そうなるな」


(あれ?)


俺には笑顔だった真司が、拓磨の言葉に微妙な表情をした。


「お前は志貴だろ?」


しかし、それは一瞬で、すぐに真司はニヤニヤしながら拓磨を見つめた。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫