《MUMEI》 イベント開始「当然だろ!」 「本人を前に、そういう事言う?」 志貴は苦笑していたが、拓磨は相変わらずめげずにニコニコしていた。 「ねぇ、祐也は…」 『後夜祭の準備が整いました。校庭に集合して下さい』 志貴の質問は、放送に遮られた。 そして、俺達は、夕日が眩しい校庭へと向かった。 そこには、キャンプファイヤーが用意されており、全校生徒が揃った時点で生徒会役員が明かりをともした。 同時に音楽が流れたが、フォークダンスを踊るわけではなく、各自自由行動していた。 (なるほど、で、これの出番なのか) あちこちで、リボンの交換が行われていた。 中には、一人を囲むようにして集団が出来ていた。 (さて、俺はどうするかな) 先程の話の通り 守は、皆に急かされ吉野の前に行き 真司は長谷川と一緒におり 拓磨がこれでもかと頭を下げたので、志貴は渋々交換に応じていた。 (さすがに男同士は無いよな) 一応俺は頼を警戒していたが、頼は目が合っても苦笑するだけだった。 (暇だな) 俺は誰に声をかけられる事も無く、のんびりしていた。 前へ |次へ |
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