《MUMEI》

「──ひなたぁ、おっそい待ちくたびれたっ」

「スイマセン‥自販機が混んでて‥」

「もぉ〜ッ‥」





那加は膨れっ面をしながら、

フルーツ牛乳を受け取った。





「ぁ‥、ひまちゃん起きたよ?」

「ぇ‥ひまわりが‥?」

「うん。さっきまで滑車回してた」

「そうか‥」





珍しいな──。





「あれ──ひまちゃんお腹空いたのかな」





那加は、

ひまわりがケージ越しに自分を見ている事に気付いて言った。





「ひなたぁ、ひまちゃんにも何か──」

「ぁぁ、今種持ってるから」

「あたしがあげてもいい?」

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