《MUMEI》
束の間の休息
(あ〜疲れた…)


文化祭の次の日は、振替休日で、俺は、一日中寝ていた。


明日がテストなので勉強しようというメールは何件か来ていたが、全て断った。


(志貴と頼がテスト勉強しないヤツラで助かった)


二人からはメールが来ていなかったから、俺は安心して寝ていた。


(そういえば、もうじき…だな)


俺にとっての大事な、特別な日


旦那様の命日は、三日後に迫っていた。


(忍に、学校サボっていいか訊いてみよう)


去年は病室で過ごせたから、一日中旦那様の思い出に浸っていられた。


しかし、今年は普通に平日で、学校がある。


(どうせ学校行っても、授業サボりそうだし)


というか、今からサボる気満々だったりする。


(忍はいいよな、墓参りも行けるし…)


俺は、行けないのに。


「だからさ、学校位休ませてくれよ!」


その夜、俺は忍にくってかかった。


《お前な、俺だって、一人で旦那様の墓参りできるわけじゃないんだぞ。

正也(まさや)や旦那様の友人と一緒なんだぞ》


正也は、旦那様が指名した現当主で、忍の今の主だった。


そして、俺の訴えはあっさり却下された。

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